書いては消し、書いては消し…
けれども、自分のために、忘れないように記しておきます。
長いし、明るい話題じゃないし、しみったれてるので、そういう気分じゃない方はスルーしてもらって結構ですので。どうぞ。どうぞ。
4月22日土曜日の昼くらい。
我が家の長老ネコ、マンボが亡くなった。
代田橋に住んでいた頃に、扉の開いてた玄関から勝手に上がり込んで来た日。あれから15年。手のひらサイズのチビが、立派に骨太なクロネコに育ってくれた。沢山の思い出と共に、誰よりも僕らの近くに居続けてくれた存在。
子猫の頃は激しく部屋中を駆け回って、まるでスーパーボールのようで。お気に入りのボロボロのソファで眠って、目が覚めると食事の催促。寝ている僕の胸の上に乗っかって、僕のまばらな顎髭を器用に咥えて引っこ抜いて起こそうとする。あれは痛かったなぁ...とか。些細な出来事の数々がとても懐かしい。
横浜に越して来てからは、チロルとクレフがやってきて、ますます賑やかになって。新入りの教育係として、はしゃぎすぎるチビたちを一喝したり、食事の催促のノウハウを伝授したり。
何度か病気もしたけど、基本的には頑丈だったから、こんな日が来るとは思いもしなかったけれど。
それでも、やはり生き物は老いてゆく。ここ一年くらいは、食事のときと、なぜかこだわっていた風呂の床の水を舐めに行く以外は、ソファの上で寝転んでいる時間が多くなっていた。ここ一週間は食事も全くとらなくなっていたから毎日心配が続いていて。
最後の夜。まるで子猫のような甘えた声で僕らを呼ぶので、側に行って身体を撫でてやると喉をゴロゴロと鳴らして応えてくれた。名前を呼んでやると、もう顔を上げられないかわりに、尻尾をパタパタと動かして返事する。そんなのが夜中に何度か繰り返されて。いつもは枕元で眠るクレフとチロルがマンボの側に寄り添って眠っていたのが不思議だった。
「マンボいなくなっちゃうのかな」とか。徐々に。否応なしに。それが、心の準備、覚悟をする時間だった。
掛け布団の足元あたりのずっしりとした重みとぬくもりは、もうなくて。心にぽっかりと大きな穴が空いてしまったことに気がつく。
もっと、なにかしてあげられただろうか、とか。いろいろ考えてしまうけれど。きちんとお別れできたから、もう大丈夫。
マンボを可愛がってくれた皆さん、僕らの遠出のあいだ面倒をみてくれた友人たち、ありがとうございました。たまにマンボのことを思い出してやってもらえたら嬉しいです。
15年間たっぷり。本当に愉快な日々を、ありがとう。ありがとう。僕らはとても幸せでした。
最高のパートナーだったよ。心から感謝しています。どうぞ、安らかに。